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虫歯・う蝕の治療

虫歯・う蝕の治療について

う蝕治療の手順

痛みが有る無しにかかわらずう蝕がある場合は、基本的には治癒することがないので欠損が生じます。 う蝕治療には、

  • 1.細菌によって溶けるのを止める側面
  • 2.それによって生じた機能障害を治す側面

の2つがあります。ここではそれを踏まえて解説いたします。

1.細菌によって溶けるのを止める方法

う蝕治療では、細菌がいなくなるまで歯質を取り除いていく必要があります。取り切ると神経まで穴が開いてしまう疑いがある場合は、あえてう蝕を残して特殊な抗生剤と歯質保護薬剤を使用して1年弱待ちます。その後、神経表面に歯質が厚くなるのを待って、取り残したう蝕を取り切ります。 こうして、う蝕をとったら樹脂で歯質をコーティングし、失った歯質を補填します。この状態で次回までに痛まないか確認します。これは、削り取る刺激で神経に炎症が起きるからです。少ししみることはありますが、尾を引かないようならば神経は残せると判断します。

2.機能障害を治す方法

ここからは欠損部分を修復して機能障害を改善する手順になり、かぶせる方法とつめる方法があります。 歯を削る量は少ない方が良いのでつめる方法を選択したいところですが、健全歯質が少ないとかみ合わせる力に耐えられないのでかぶせなければならないこともあります。また手順に限っていえば、型を取って修復するのかその場でつめるのか2種類の方法があります。

型を取る場合

この場合は上広がりの形に整えて印象剤で型を取ります。次回、誤差を口の中で修正して接着剤でセットします。

その場でつめる場合

口の中の唾液が修復する部分につくとうまくつかなくなってしまうので、唾液を排除します。歯の表面に接着剤のぬれが良くなる処理をして液状の接着剤を流して固めます。樹脂を歯の形に整えながら充填します。最終的な歯の形に削合して研磨します。 これがう蝕で神経の治療にならなかった場合の治療手順です。治療は歯を削るにしても最小限削るのが理想的です。 う蝕・虫歯の治療は、まさに歯の形を元に近い形に修復しているものです。虫歯の原因が改善されなければ、また同じように虫歯になってしまいます。形が治ると安心してしまう患者さんも多いのですが、リスクと向かい合い予防することが大切です。

レジン充填について

歯に詰め物をするとき、樹脂・レジンを詰める方法があります。当院を含め歯医者で行う虫歯治療では、この方法を用いることが多いと思いますので、レジン充填のメリット・デメリットを少し説明したいと思います。 レジンは、歯の色に似たプラスチックです。これは、ある波長の光で固まるように調整されています。そのため、硬化時間を短縮し、治療回数を減らすことが可能です。しかし、それを長くもたせるためには、かなりのハードルがあります。 まず、基本的にこの樹脂は固まるときに収縮してしまいます。つまり、詰めた歯との間に隙間ができる可能性があるということです。これは、その後の着色や再び虫歯になる可能性にもつながります。

また、湿度が多い口の中でしっかり接着力をきかせるには厳格な防湿処理が必要だということです。さらに、歯の隣り合わせたところにまで虫歯が進んだ場合、しっかり段差なく詰めるにはかなりの技術が必要であるということです。 マイクロスコープを用いて仕上げれば、全く段差なく仕上げることが可能ですが、非常に時間を要し、確認するのも容易ではありません。手軽で短時間で仕上がり、それなりの審美性を得られる利点がありますが、術後問題になる症例も決して少なくない方法なのです。

歯周病

歯周病治療について

歯周病の治療について

歯周病は、歯の周りの組織の病気です。 歯周病の原因である細菌に侵されると炎症は、 歯肉→歯と歯肉をつなぐ組織→歯と骨をつなぐ組織→骨というように進行していきます。 右に向かうほど炎症が強いといえます。

歯周病の進行|健康な歯→歯肉炎→歯周炎(軽度)→歯周炎(中度)→歯周炎(重度)

歯周病の初期の段階は歯肉炎と言います。歯肉炎では、歯周病菌が歯と歯肉の間に入り込み、プラークや歯石がたまりはじめます。 歯肉炎が進むと、歯と歯肉の間に歯周ポケットができて歯周ポケットにプラークや歯石がたまってきます。この状態を放置すると、歯周ポケットが深くなり、歯肉が腫れたり、出血するようになります。 そして、さらに歯周病が進行すると、歯槽骨が溶けはじめ、歯が支えられなくなります。最終的には歯が抜けてしまうことになります。皆様の大切な歯を守るためには、初期の段階から治療や正しいケアが必要です。

歯周病治療の流れ

これを治療するためにはどうしたらいいのでしょうか?治療の主な流れについてご説明します。

ブラッシング

治療の第一は原因除去、つまり細菌を減らすための歯磨き「ブラッシング」になります。 ただ、歯肉が歯から離れて「歯周ポケット」ができると、深い部分は磨きにくく、浅い部分は磨きやすい不釣り合いが生じます。また、炎症が骨にまで進むと骨が吸収する部分も出てきて、更にこの不釣り合いが大きくなっていきます。

歯石取り

磨きにくい環境を改善するため、歯科衛生士による根の周りにこびりついた石灰化物の除去「歯石取り」を行います。これによって、根の表面を滑沢にして、汚れを落としやすくします。 ここまでの治療で効果が及ばないところは、検査によって出血します。この環境では炎症が引かないということになるので、場合によっては手術に移行していきます。

手術になるケース

手術にはいくつかの目的があります。 今まで、歯肉の間の溝(歯周ポケット)から盲目的に行ってきた歯石取りを、明視野下で行うこと。 骨や歯肉の不釣り合いを、外科的に切除したり、再生療法を使って解消すること、などです。 いろいろな方法を駆使して、炎症がなくなると、検査でも出血することがなくなります。また、歯ブラシも上達して、細菌の塊が残る部分もなくなりました。この状態が歯周病で言う「コントロールできた状態」です。ここまでの治療が、歯周病の治療と言えます。

コントロールできた状態とは

歯周病治療を行った結果、炎症がコントロールされた状態とは、炎症がなくなり(歯肉からの出血がなくなり)、最近との共生関係が確立(細菌がいなくなるのではなく影響がなくなる)その環境が永続しやすいような状態(浅いポケット)になることです。 残念ながらそれは、以前のように歯の間が歯肉に満たされ、骨が上まである状態ではありません。吸収してしまった骨は基本的には元には戻らず、歯肉は下がった状態で安定します。図に書くと以下のようになります。

これは正常な歯周組織

根の間に上まで歯槽骨があり、歯の間は歯肉で覆われています。

歯周病になると

骨は歯肉の中で吸収し、歯肉の中と外には歯石と歯垢がこびりつき、それに伴い歯肉は腫れあがっています。 この状態に対し、患者さんのブラッシングが解消、歯科医院側では歯石取りとみがき残した部分のクリーニング、場合によっては手術を行って磨きやすい環境に変えてそれを持続すると…。

治療によりコントロールできた状態

歯周病の状態に対し、患者さんのブラッシングが解消、歯科医院側では歯石取りとみがき残した部分のクリーニング、場合によっては手術を行って磨きやすい環境に変えてそれを持続すると、このように変わります。 つまり、歯肉は腫れがなくなり、溶け続けていた骨は安定して固まり、骨の2~3ミリ上に歯肉が炎症が無い状態です。残念ながら、骨も歯肉も増殖せず、元の位置に回復とはいきません。これが歯周病からの治癒像です。 事故で手や足がなくなった人が再生しないのと同じように、これが現在の限界なのです。

歯周病の治療の最終目標点とは

歯周病の治療は、これで終わりではありません。今はこの環境でコントロールできても、長い間それを維持できるとは言えない環境とはなっていないこともあります。骨が減ってしまって、かむ力に耐えられない部分は歯をつないでかぶせたり、インプラントを応用したり、矯正を応用して歯並びを治療し磨きやすい環境を整えたり…、などです。 環境整備も終わりました。これが歯周病治療の最終目標点でしょうか?答えは残念ながらノーです。 私たち人類は年齢とともに抵抗力が変化していきます。いわば、人としての環境の変化と言えます。これにも対応していかないとなりません。これに必要なのが「メインテナンス」です。定期検診がこれにあたります。 苦労してコントロールした歯周病罹患部は、少しの変化でまた炎症がぶり返しやすい部位であるとも言えます。その様なウィークポイントを監視して、いち早くその変化に対応するのがその目的です。このメインテナンスは、実は終わりはありません。 歯周病の最終目標点は、揺れ動く様々な環境因子に対抗しながら充実した食生活を送りながら人生を過ごし切るということなのです。

歯の根の治療

歯の根の治療について

根の治療について

「神経をとりますね。」この言葉、驚きませんか?いくらひどい腰痛でも神経をとって治すことはしません。なぜ歯科だけに神経をとる治療があるのでしょうか?その答えは「歯の中」という特殊な環境にあります。 基本的には歯の中の神経以外の部分には血管はありません。 つまり新陳代謝が行われているのは神経のみ、ほかの部分は変化しない部分と言えます。 この神経の中の血管は非常に細く、虫歯などで炎症がおこると充血して血行不良になり容易に死んでしまうのです。 根の治療とは、死んだ組織、または回復が望めないほど炎症がある神経を取り除き、周りに広がった炎症の原因になる 腐敗物をきれいにして、炎症が起きづらい様に、空いた空間に無菌的にゴムを詰め込む治療のことです。

歯の中の神経は曲がりくねって、また枝分かれすることも少なくありません。それを歯の上から手探りで掃除するかなり 難易度の高い治療です。そのため、再治療の頻度も比較的高いといえます。また新陳代謝の無くなった歯は、枯れ木 のようにもろくなる傾向にあります。さらに、失った歯の部分を補うため土台を立てる必要があり、維持のために金属の杭を 使うことがありますが、この杭のクサビ作用によって、歯が縦割れしてしまう問題もあります。 当院では、この問題を解消するため、グラスファイバーの土台も選択可能ですが、いずれにしてもリスクを伴う治療ということが 言えます。

神経を取らない努力

炎症が神経にまで及ぶと、一般的には痛みが起こり神経に炎症が波及し根の治療になることが多いです。しかし、神経に炎症が波及しても、神経すべての部位で細菌が広がり、炎症が起こり神経が死んでしまうわけではありません。 神経にも炎症に対する抵抗力があり、それ以下の炎症ならば生き抜くことも十分考えられます。つまり、回復が望めない部位のみ神経を取り除き、それ以下の神経は回復を期待して残すという考え方です。 そこで、当院ではマイクロスコープを駆使し、神経の切断面と出血の状態を観察することによって神経の状態を観察し、生き残ると思われる部分から先の神経を残すことを行っています。

我々が、大学で教育を受けたのは30年以上前です。この時の教育では、感染した歯質を除去しているときに神経が露出したら、神経自体に細菌が感染しているので神経をとると教わりました。この考え方は今でも中心的な考えとして残っています。しかし、様々な臨床報告を勘案してみると、残せる場合もかなりあることがわかりました。 取ってしまったらゼロになってしまうのであれば、説明して同意が得られるならばやってみるべきと考えます。

従来通り神経の治療法

炎症に対する抵抗力や治癒能力はどんな検査や診査を併用してもクリアにはできない課題があります。慎重に努力をしても、抵抗力が細菌に負けて神経が死んでしまうことも考えられます。この場合は、従来通り神経の治療を行うことになります。 従来の神経の治療は、生活歯髄切断法という名称で行われてきました。ただ、適応の多くは神経の生命力が高い小児期に限って行われてきました。成人で、神経の周りまでう蝕による歯の軟化が起きているケースでは、水酸化カルシウムが用いられてきました。 これを用いた場合、その効果で神経の器に石灰化が進み神経が非常に細くなる問題点が言われてきました。この場合でも、神経は生き続けるのですが、本来の知覚を残るかどうか疑問が残ります。

マイクロスコープとMTAを用いたい治療法

当院では、特殊なケースの根管充填で用いてきたMTAを応用しています。MTAを用いた場合は、水酸化カルシウムを用いた場合と同じように、切断面に歯の堅い壁を作り、さらに神経の器は細くならない特徴があります。 残念ながら、MTAを用いた治療法は保険適応ではありませんが、後戻りのできない「取り除く」という治療を回避できる可能性があります。マイクロスコープ導入で、利用機会が増えたMTA。よりダメージが少なく、歯に優しい方法であると考えています。 神経を残せるかどうかの瀬戸際の歯にとって、ラストチャンスの治療法として提案しております。

根の治療の流れ

う蝕が深く、不幸にして神経をとらなければならなくなった場合と、根の治療のやり直しになった場合の手順を説明したいと思います。

神経をとる治療

不幸にして神経をとらなければならなくなった場合は、神経が回復不可能、つまり死ぬ方向に進んでしまった場合に行います。まず、健全な歯の部分はなるべく削らず、更に根の治療が効率的に出来るように形成します。すると神経の上の部分がまず露出します。この部分は髄室といいます。 この部分の神経をしっかりとれるように角の部分(髄角)までしっかり形を作ります。その後、その下にある根の部分の神経の入り口(根管口)を探します。歯の種類に種類によって大まかな数は決まっていますが実際にはそれより多いことが多いので顕微鏡を使って慎重に探索し、取り残しのない様にします。 根管口が見つかったら神経を根の先まで探索し神経を除去します。神経はまっすぐなことはないので、途中で曲がった道に追従できずに進まなくなったり、また誤って別の道を作ったりしないように慎重に行います。

こうして根の先まで器具が到達したら、根の長さを測りそこまで神経の管を削って拡張するようにして腐敗物をきれいにし、さらに根の中に入れる最終的な詰め物が充填できるように形を整えます。 神経をとる治療は結局神経を根の中で一番細く治りやすいところで切っている治療なので必ず炎症が起きます。そこで、だいたいの拡大が出来たらケースバイケースで薬を貼薬します。 次回来院時、炎症が消退していたら神経の入っていたトンネルの空間を埋める治療に入ります。空間が残っていると体液の貯留が起こって炎症が生じるからです。このつめる行為を根管充填といいます。根管充填には、滅菌されたゴムをつめる方法と練り薬をつめる方法があります。いずれにしても、薬は空間を残さずにしっかり埋め安定していることが求められます。

神経をとる治療では、根の先まで神経が完全に死んでいることはまれなので、貼薬をせずに直ちに根の治療を終わることもあります。また、根管充填時には生きている根の先の組織を刺激するので、炎症が起きて違和感や痛みが生じることがあります。通常は、しばらくすると回復します。

根の治療のやり直しの場合

根の治療のうち過去に根の治療をして神経はないが痛みがある、あるいは化膿して膿が出ていたり腫れている場合の治療手順をご説明します。 根の治療のやり直しの問題点は、本来の神経入っていたトンネルが、ふさがっていたり道がそれていることがあることです。当然、神経をとる根の治療より難易度が上がります。また、非常に炎症が強い場合はすぐに根の治療を始められないことがあります。この場合は、一時的に薬を飲んでもらったり、切開して膿を出したりして炎症を弱める治療をまずする必要があります。 やり直し治療の手順は、まずついているかぶせものや土台をとります。当然とれないようについているのでとるには時間がかかり、歯質は極力削れないようにするので顕微鏡を使って慎重に削っていきます。

すると、根の中の詰め物が見えてきます。この古い根中の詰め物(多くはゴムや練り薬、まれに根の治療器具など)を取り、腐敗した残存物を取り除きます。トンネルの開通や修正を行い、根の先まで長さを慎重に測り、清掃する長さを決定し、その位置まで清掃、拡大を行います。 清掃は、器具によって機械的にトンネルを拡大するのと薬物によって化学的に拡大します。薬を使って安静と再感染を防ぎ炎症が消退したら根の中に滅菌されたゴムを圧力をかけてつめ根の治療を終わります。

歯周外科治療

歯周病の治療・手術について

歯周病の手術

歯周病治療の1つに手術があります。 手術というと、怖い・不安だと尻ごみしてしまいがちですが、数々の利点がある治療法です。 皆様にどのような影響があるのかをご説明いたします。

歯周病の手術の目的

歯周病に対する手術の目的は、患者さんの状況によっていろいろありますが、大きくは2つです。 「歯ぐきをよけた状態で行う歯石取り」と「歯ぐきの環境改善」です。

1.歯ぐきをよけた状態で行う歯石取りについて

歯周病の原因はお口の中の細菌のため、歯石取りが最も重要なことではありませんが、ブラッシングによる効果を阻害する歯石は、やはり取り除くべきものです。 歯ぐきをよけた状態で歯石取りを行うことで、器具の到達性が非常によくなり、スケーリングやルートプレーニングといった方法で取り切れなかった歯垢や歯石を、しっかりと取り除くことができます。

2.歯ぐきの環境改善について

歯ぐきは通常、表面を触っても動かないものなのです。しかし、歯周病の患者さんの中には、歯の周りが動く組織だけになってしまった人がいます。このような場合、歯の周りが安静にできず、歯ぐきの溝が深くなり易いと言えます。 そのような患者さんの組織に歯ぐきを移植して、動かない本当の歯ぐきにしたり(ややこしくてすみません)、歯ぐきの位置を変えて縫合することによって角化している位置を調節したりすることが可能です。また、骨が無くなった所に骨が作りやすい環境を与えることも可能です。それによってある程度の骨の再生も可能になっていきます。

健康な歯を増やす手術

歯に被せ物をするためには、歯の回りに健康な部分が最低1mm必要です。この方法は、矯正か手術の2つあります。さらに手術の中でも、歯肉のみ整形する方法と、骨も削って歯肉を下げる方法の二つがあります。 歯肉のみで対応出来る場合もありますが、多くは余分な骨の整形を伴うものです。骨の上には、一定量のボリュームで、歯肉があるものなので、無理して歯肉を整形してもこれを犯すことになり、歯肉の炎症が続いてしまうからです。 術後は、個人差はありますが多少の痛みを伴い、少しはれることもあります。しかし、この手術をしなければならないということは、歯肉の下まで虫歯になっているわけですから、さらなる問題が起きたときには、確実に抜歯になるということです。いわば最後の保存方法です。お話しすると、ほとんどの患者さんが受け入れてくださいます。

この治療を行うことになる方の多くは、被せ物が土台ごと取れて来院されます(術前)。このままかぶせれば、長持ちしそうもないのは明白です。

術後、次の写真のように歯肉の上にしっかり健康な歯が出ています。診療時にお話をしている段階では、今まで聞いたことがなく、戸惑われる患者さんばかりですが、非常に重要なこだわりなのです。

歯肉の厚みと幅を増やす手術

被せ物を行うための手術の他に、歯ブラシをしやすくする、あるいは歯肉が経年的に変化しにくくするための歯肉の手術を行う場合もあります。この方法は、ほかの部分から歯肉を持ってきて移植して行うため、手術の部位が2か所になってしまう欠点がありますが、経年的に安定した清掃しやすい環境を獲得することができるので、同意が得られれば行う頻度は少なくありません。 左の写真は、それぞれ、左側が術前、右側が術後です。一般の方が見てもよくわからないかもしれません。我々歯科医の仕事は、ミクロン単位の精度が要求されるものですから、それを成功するためには、このようなマクロなこだわりも大切だと考えています。ちなみに、この2症例の手術法には違いがあり、上側の2枚の画像は表層の歯肉を、下側の2枚の画像は中間層の歯肉だけを移植したものです。

地道な歯周病治療

歯周炎の治療の難しさは、痛みや障害が非常に長い時間をかけてゆっくりおこってくるため、炎症は慢性化し、ほとんど自覚症状がなく進むところです。その上、治療方法は基本的にすごく地味で、はじめのうちは歯ブラシの方法のトレーニングばかりだったりします。患者さんの心の中ではおそらく「何回、歯医者へ通っても歯ブラシとクリーニングばかり、これなら歯医者に来なくてもうちで出来るわ」と、感じてしまうことでしょう。 しかし、歯が生えてきたときから歯周病にかかっている人は、一人もいないわけで、本来その疾患に罹患した原因が口の中にあるわけです。歯周炎の原因の細菌がそこに(患者さんの口の中に)生活するためには、生活しやすい環境があって、平和に暮らしているわけです。患者さんの口は何十年もかけて歯周病菌が住みやすい環境を整えてきたわけです。それを変えていかなければならないので、地味な仕事を何年もかけて続けていかなければならないのです。

さらに歯には、安静がとりにくいという問題があります。我々は食べるときはもとより、緊張した時や睡眠時までもストレスからの回避行動として歯をかみしめています。ストレスによるかみしめは、食べるときかかる力の6倍とも言われています。この力が歯周病菌による破壊の手助けをしてしまうのです。 他のぺージでも繰り返し記載していますが、特殊なことをしない限り失った歯周組織は元には戻りません。炎症を完全にコントロールすることも様々な原因が絡み合っているため困難かもしれません。歯周炎の治療は我々歯医者側と、患者さんの共同作業で、歯周病菌と何とか良好な関係を築き、お付き合いしていく治療といえるでしょう。

歯周病の予防

歯周病予防で大切なことについて

歯の周りのマイクロビオーム

我々人間は常在菌と共に生きています。この常在菌は駆逐することが不可能です。いわば体の一部です。この常在菌のことを「マイクロビオーム」といいます。 腸内を例にとれば、善玉菌といわれる常在菌がいると有益なのはご存じのことと思います。これは、マイクロビオームとの友好関係が保たれているということです。ひとたびそれが崩れると、下痢をしたり、炎症を起こしたりします。 このようなことは、歯周病にも当てはまります。歯の周りも、マイクロビオーム(プラークやバイオフィルムと言われるもの)が存在します。マイクロビオームとの友好関係が保たれている場合、歯周病は発症しません。この関係は、細菌の毒性と我々の抵抗力の微妙な釣り合いのもとに保たれています。 この関係を維持させるには、マイクロビオームの毒性を上げないようにし、私たちの抵抗力をキープすることが大切です。これは、歯周病の予防法とも治療法なるものです。

バイオフィルムについて

歯の表面には、歯ブラシをして付着物を取り除いても、しばらくするとたんぱく質の膜が付着します。そこに初めの常在菌が付着し菌塊を形成します。ここに、歯周病菌が付着してさらなる菌塊を作ります。この歯周病菌も常在菌なので、一度感染し定着してしますと駆逐することはできません。 この状態になると、細菌は菌体外重合物質というバリアを作ります。このため、外部と隔離され様々な細菌が集合住宅を作り成熟していきます。この集合住宅がバイオフィルムです。バイオフィルムは3日くらいで完成します。 ただし、この時点で必ず歯周病が発生するとは限りません。その成立には、私たちの抵抗力やバイオフィルムの毒性などが密接に関係するからです。友好関係が崩れないように、健やかなバイオフィルムと暮らすことが重要なのです。

バイオフィルムの悪性化

私は1日3回ブラッシングをしているから大丈夫!と思われていませんか?私たちのブラッシングには、得意な場所と不得意な場所があります。つまり、みがき残しです。この場所には、バイオフィルムが何週間、何か月間ついているかもしれません。このようなところで、バイオフィルムは悪性化していきます。 まず初めに歯肉表面の変化が起きてきます。縁のところが少し赤く変化するということです。これは、初期の歯肉炎の状態。歯肉に限局した炎症です。年齢が若いとこの状態でキープされることもあります。おそらくは抵抗力のためと言われています。ただ年齢が進むとその次の状態、歯肉炎の確立期に移行します。

この状態になると、炎症により血管透過性はさらに亢進、歯肉は浮腫を起こし腫脹して赤く腫れあがるようになります。この状態になると、歯肉の溝は歯肉が腫脹するため深くなり、溝の底は酸素濃度が低くなります。この酸素濃度の低下が、実はバイオフィルムの悪性化に密接にかかわってきます。 嫌気性菌の育ちやすい環境が、歯周病の増殖にかかわっているからなのです。ただし、ここまでの状態であれば、ブラッシングの改善でバイオフィルムを取り除けば歯肉炎は完全に元の健康な状態に回復できます。この状態を早期に発見するためにも、定期的な受診が重要と言えるのです。

歯周病と全身の健康について

最近はメディアでも、歯周病と関係のある体の疾患について、取り上げらるようになりました。 例えば、糖尿病にかかっていると感染に対する抵抗力が衰え、傷の治りも非常に悪いことが知られています。このことから歯周病も重症化しやすく、コントロールしにくいことが言えます。その上、歯周病菌やその毒素が血管から体に入ると、インスリンが働きにくい体の状態を高めて、糖尿病を悪化させる可能性が指摘されています。 心筋梗塞に関しては、歯周病かかっていると、2~3.5 倍発病リスクが高まるといわれています。このリスクは、歯周病が重篤になるに従い高まることも報告されています。歯周病によって産生されたサイトカインが血管を介して心血管に波及するためといわれています。

そのほかにも、低体重児出産や呼吸器系疾患等々、いろいろ言われています。因果関係が明らかになっている疾患もあれば、解明中のものもありますが、お口の機能を使い食事・栄養を摂取する私たちにとって、お口の健康がさまざまな病気に関与していることは確かと言えると思います。 新型コロナウイルス感染症と付き合う現在において、体の免疫力を高めたいと考えている方も多いことと思いますが、大切なのは、体の慢性疾患も歯周病も、それをコントロールすることだと考えています。 歯周病は、自覚症状が著しく低い疾患ですが、普段から地道にコントロールしていかなければならない疾患なのです。皆様の健康を守るためにも、定期的に歯科医院を利用してもらえたら幸いです。

予防歯科

予防歯科について

虫歯・歯周病の予防

当院で一番大切なポイントと考えるのが予防です。 これを達成するためには考え方が重要です。つまり予防をリスクに対する治療と考えることです。 それを行うためには対象となる患者様によって行う要点があります。

脱灰と再石灰化

健康な状態では、上図のように「脱灰(だっかい)」と「再石灰化」の力は拮抗していることになりますが、 「脱灰」に働く力が強くなったり、「再石灰化」に働く力が弱くなったときは脱灰が進んで歯が溶かされ、 虫歯が出来てしまいます。 ひとりひとりのお口の中でおきている「脱灰」と「再石灰化」のバランスを分析する事で、個人の虫歯のリスクを知ることが できます。そして、脱灰に傾いていると判定されたならば、それを様々な方法でコントロールし、再石灰化を促進したり 脱灰を抑制しなければなりません。

食事とpHの関係

食事をとると、2~3分でプラーク中のpH(ペーハー)は酸性に傾き、脱灰がはじまります。この脱灰の時間が長く続いたり、酸性度が強いほど虫歯の危険が増加します。唾液の力によって 約20~40分間でプラーク中のpHが上昇し、再石灰化がはじまります。

予防のポイント

予防のポイントを、
主なケースごとにご紹介いたします。

これから子供さんをもたれる奥様、妊婦様の場合

対象は、旦那様と奥様の口の中の細菌を減らすことに重点がおかれます。 また、虫歯や抜けたところがある場合、歯周炎がある場合にはその状態を改善しておくことも大切です。

乳歯列のお子様の場合

虫歯菌であるミュータンス菌は、乳歯の奥歯が生えてくる1歳半から2歳半までの間に、感染すると言われています。 この時期には、お子様の周りにいる人の口の中の細菌を減らすことが重要です。 また、すでにミュータンス菌に感染している場合にはそれを減らすことも重要です。 お子様にさらに重要なのが的確な生活習慣を身に付けることです。ただ予防で大切なのは、細菌をコントロールすることだけではありません。虫歯のリスクは、細菌の数、唾液量、 酸を中和する能力、フッ素使用の有無、ブラッシングの良否、飲食間食習慣、虫歯の経験で判断していきます。 ひとつが悪くとも他のものがフォローしていくものです。改善できるものを改善することが重要です。

乳歯・永久歯混合歯列期の場合

この時期、つまり永久歯の奥歯が生えてくる時期が、2度目のミュータンス菌の感染時期です。 また、乳歯と違い永久歯の奥歯は向かい合わせ歯と噛むのに1年半から2年ほどかかるため、かみ合わせの部分の 虫歯に特に注意してください。 歯はかみ合わされば食物の流れで自然にブラッシングされている状態になり、この部分の虫歯リスクは減ります。 この機能が不十分なこの時期は、かみ合わせ部分のブラッシングが特に重要です。 さらに、次第に自立心の出るこの時期は親の管理から離れがちになります。あとにくる思春期には完全に離れてしまうので、この時期までに良い習慣を身につけるようにしてください。 この時期になれば虫歯リスク検査も可能です。 検査しただけでは仕方ありませんがより具体的な予防が可能になります。

永久歯列初期の場合

永久歯列が完成した後はかみ合わせ部分の虫歯リスクは減り、新たに歯の隣り合わせた面の 虫歯リスクが増えます。 この部分は歯ブラシだけでは磨きにくく、リスクが高い場合にはフロスを使う必要があります。 さらに、間食や生活習慣の乱れ等に注意する必要があります。この時期になると虫歯の傾向も表面化してきます。 「自分の歯は質が悪いから」とあきらめずに、そのリスクを少しでも良い方向に行くように努力することが重要です。

永久歯列後期の場合

この時期では虫歯のリスクに加え歯周病に対するリスクも考えなければなりません。また、それに伴い口の中も複雑になってきます。歯のないところにブリッジや入れ歯さらにはインプラントなどなど…、 それに伴い予防方法も複雑になっていきます。 この時期は家庭で行うセルフケアが重要なことは言うまでもありませんが、セルフケアでは不十分な部分に対する 定期的なプロケアが重要になってきます。 自分の口の中をあきらめないこと、さらに正しいゴールの設定が何よりも大切です。よく話し合って目標設定していきましょう。

定期検診

歯医者の定期検診について

定期検診について

ご承知の通り歯科医院で一通りの治療が終わり、その状態を維持出来ているのか確認するために行うのが定期検診です。 そのとき、歯科医師たちが何を見ているのかを説明したいと思います。

定期検診では何を見ているか?

1.つめたりかぶせたりした部分の歯の境目とのチェック

金属や樹脂、セラミックと歯の加重に対する変形率や熱膨張率は違います。その誤差をセメントが支えています。経年的な劣化も当然あることです。界面が離れて虫歯が再発していないかチェックします。

2.かみ合わせのバランスをチェック

歯と歯が一日何百回もすれていれば当然減ってきます。ところが、どの歯でもエナメル質の厚みは一定ではありません。これが薄ければ早期に内側の象牙質が出て減りが早まるでしょう。つめたりかぶせたりした部位も、硬さは違うモノです。それぞれにかかるかみ合わせ力のバランスをチェックします。それによって歯周組織に影響を及ぼしたりしている部分も確認します。たとえば大きく平面状にあたって、側方力が大きくなっているところを適切なあたりに修正したりします。

3.歯周病のチェック

歯周病は残念ながら治癒することがありません。歯周病菌も常在菌なので駆除することは出来ません。病状が落ち着きやすい状態に整えて安定した状態を維持しているかをチェックします。また、歯周病は年齢が上がるだけでリスクがあがる病気です。今のケアで釣り合いがとれている場合は再発しませんが、再度炎症が起きている部位には追加のケアが必要になります。そういう部分もチェックします。また、1つめたりかぶせたりした部分の歯の境目とのチェック、2かみ合わせのバランスをチェックで説明した事項も、歯周病と密接に関わってくる事項です。治療が終わったら何も起きないのが当たり前と考える患者さんが多いと思いますが、機能している歯が変化しないわけがなく、その変化が生理的な範囲なのかをチェックするのが定期検診なのです。

定期検診のプロフェッショナルケア

歯周炎、歯肉炎は歯周病菌によって引き起こされる炎症のことです。歯周病菌と歯石とは違うものなので歯石を取っただけでは歯周病は治りません。ただ、歯垢がつきやすいところに あるざらざらした塊の歯石は清掃の邪魔になり、歯垢停滞の原因になるので取ることは重要です。

しかしながら最も重要なことは、歯垢が残る原因になったブラッシングの仕方を変えることにあります。 これは容易なことではありません。何年もやり続けてきた習慣を変えるのは大変な努力が必要だからです。 また、ほとんど自覚症状がない病気のためやる気を維持するのもかなり難しいという問題もあります。 当院スタッフ、特に歯科衛生士が毎回毎回口うるさくチェックしている理由もそこにあります。 さらに、一度歯周炎にかかって、それが安静状態になっても元の状態に戻ったのではないことも大切なポイントです。 今は安定した状態でも以前より悪化しやすい状態であり、これに対抗するため、患者様によるブラッシングと、 我々医院スタッフが歯ブラシの届きにくいところに行うプロフェッショナルケアが重要です。

そのため、一度一通りの歯科治療が終了したのちに、患者様が自宅で行うブラッシングでは足りなかった部分を、 炎症が再発する前に、医院にお呼びしてプロフェッショナルケアを行う、定期検診が非常に重要になってきます。 この定期検診のシステムはほとんどの患者様に受け入れていただき、好評をいただいております。

歯科医院でのブラッシング指導

当院では、患者様にお一人おひとりへ丁寧なブラッシング指導を心がけております。歯ブラシの使い方はもちろん、歯間ブラシやデンタルフロスの使い方、歯磨き剤の選び方や使い方などもお話しております。ブラッシング指導の際、分からないことは、お気兼ねなく当院スタッフまでご質問ください。

歯間ブラシ

歯間ブラシについては、必要な部位だけに使用することをおすすめしています。毎日毎回すべての部位に行うことはおすすめしておりません。適切な使い方をしないと、歯と歯の間の歯肉(歯間乳頭)が傷ついて汚れがつきやすくなったり、歯肉が下がって見栄えが悪くなってしまう可能性があるからです。 一度傷ついた歯間乳頭を修復することは、簡単な治療ではありません。適切な使用法で、歯肉を傷つけないことが大切です。当院では、歯間ブラシの使用方法や、歯間ブラシを使用した方がよい部位についての指導も行なっております。

デンタルフロス

デンタルフロスは単なる糸のため、歯間ブラシのように歯肉を圧迫する危険性が少なく、歯肉を傷つけることなく歯垢を取り除くことができます。デンタルフロスを使用すると、お手入れが難しい歯と歯が接している部分(コンタクト部分)の歯垢を取り除くことができます。 ただしデンタルフロスも、安全に使用するためには適切な使用方法を守る必要があります。初めて行うときは、少し使用方法が難しく感じる方も多いと思われます。当院では、適切な使用方法の指導も行なっておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

フッ化物入りの歯磨き粉

フッ素(フッ化物)には、酸によって溶け出してしまった歯の成分を補う(再石灰化)効果があるため、むし歯予防に効果的です。フッ素は正しい使い方を続けることで、より有効な働きをします。毎日のケアに取り入れるためにおすすめなのは、フッ化物入りの歯磨き粉を使用することです。 適切な使用方法は、歯ブラシの端から端まで歯磨き粉をつけ、しっかり歯垢を取るように隅々まで磨きます。その後、大さじ一杯程度の水で一回だけ5秒くらいかけてうがいをし、それ以降飲食は避けます。むし歯予防の一手段として、フッ素を毎日のケアに取り入れましょう。

ぜひ、継続して定期検診を
ご利用ください!

歯科医師の私ですら、歯周病も虫歯も完全に予防できているか疑わしいものです。 当院スタッフに定期的に見てもらっていますし、自分でも検査します。 虫歯も歯周病も、初期のうちは(重度にならなければ)全く自覚症状がない疾患です。 早期に異常を発見し、ご自身の歯を守るため、継続して定期検診をご利用いただきたいと思っております。

定期検診が途切れてしまった方へ

当院からご案内した時期に検診へ行けないと、「申し訳ない」というお気持ちからか、定期検診へしばらく来られなくなる方がいらっしゃいます。 急な用事ができて来られなくなるというのは、当然あり得ることですので、申し訳ないなどと思わないでください。そのような理由でつい期間が空いてしまった方も、ご都合の良い日にぜひ改めてご予約ください。

繰り返しになりますが、悪くなった歯は決してもとには戻りません。 特に歯周病は、症状が出たときには、かなり病状が進行しているケースがほとんどです。 気まずさから定期検診をお休みしているかたは、今まさに、そのリスクの中にいると言えます。 どうぞ遠慮なく歯医者さんを活用してください。 皆さまの大切な歯をしっかり守ってほしいと心から想っています。

矯正歯科

矯正歯科について

当院の矯正歯科

何のための矯正治療を行うのでしょうか?多い答えは、歯並びをきれいにしたいからでしょう。 しかしその奥に隠れている答えに目を向けてください。歯並びをきれいにしたことによって、ブラッシングしやすくなり虫歯や歯周病になりにくくなる。歯の根もきちんと 並ぶことにより歯周病に対する抵抗力も増し、力学的にも有利になります。 また、矯正とはすべての歯をいっぺんに治す一般的なものだけではありません。歯を失った後しばらくそのままにしてしまい部分的に歯が倒れてしまったものを治す部分矯正、歯周病の 炎症のため移動してしまったり、所々深く吸収してデコボコになった骨を平たんにするための矯正などがそれです。

私の専門は矯正歯科ではありませんが、このような矯正治療は一般歯科を行っている我々の仕事であると考えています。さらに、最終治療まで一般診療、矯正治療等を含め、すべて同一術者が行うことにも大きな利点があると考えています。

インプラント矯正について

より副作用が少なく、一般矯正では対応が難しい症例に対してインプラントを応用して矯正する インプラント矯正にも対応しています。ワイヤーの装置の範囲を減らしたり、不要になる利点があります。

診療日について

当院では、利便性を考え基本的に毎月1回、日曜日の午後に矯正専門医と一緒に行っています。 部分矯正や月1回の調整、またどうしても日にちが合わない場合は平日で対応いたしますのでよろしくお願いたします。

料金について

相談料
5,000円

技術料

部分矯正(一ヶ所)
10万円
全顎矯正
(金属ブラケット使用)
60万円
全顎矯正
(セラミックブラケット使用)
70万円
矯正用インプラント埋入料(一ヶ所)
15,000円
リテーナー(片顎)
3万円

処置料

ブラケット等装着時
5,000円/月
リテーナー等装着時
3,000円/月

※表示価格は税抜きとなっております。

小児歯科

小児歯科について

初めて歯科治療するお子様方へ

初めての歯医者さん、皆さんは当然嫌がる所と思われていませんか?私が考えるに子供さんが緊張したり怖がったりしているのは、一緒にいる大人が緊張していてそれを 如実に感じ取っているからだと思います。 歯科医師にもいろいろな考えを持った人がいます。治療の仕方も様々です。当院のスタイルは 『しっかりした治療は患者様の協力なくしてはあり得ない』 です。 ここでは、2~3歳で麻酔をしっかり使って大人と同じレベルで治療をしています。 もちろん100%のお子様ができるわけではありませんが、しっかりしたトレーニングを行い、皆様の協力が得られれば小さいお子様も普通に治療ができるのです。

ご父母の皆さんへのお願い

初めての場所は緊張するものです。ましてや、基礎知識も何も無くいきなり連れられてきたら驚くのも無理ありません。歯医者が何をしてくれるところで、最終的にはどうなるのかを話してあげてください。 その時、お子様は「どうやって?」と、聞いてくると思いますが「それは、歯医者さんじゃないからわからない。」と 話してあげましょう。それは我々がトレーニングで子供さんに体験してもらって、理解していただくからです。 もう一つ重要なことがあります。嘘をつかないことです。初めてお子様を連れてくるお母さまで時々見られますが、「何もしないから」という人がいます。また、「見るだけ」という人もいます。何もしないのなら見ることもできません。 見るだけと言ってきたのなら口の中に手も入れられません。 こちらの行動を規制するようなお話をしないでいただきたいのです。

乳歯および小児の治療の特徴

以前は、乳歯は抜けてしまうからと軽く見られる傾向もありましたが、当然これには反対です。乳歯には、永久歯の生えてくる場所をしっかり維持するという重要な役割があるからです。 また、「虫歯の治療について」でお話ししたように虫歯のリスクを改善しなければ、永久歯も 虫歯にしてしまうかもしれないからです。 ただ虫歯を削って詰めただけでは口の中の、虫歯になりなりやすさはほとんど変わらないことを理解してください。 当院では「虫歯になぜなってしまうのか」のお話を通して、乳歯での虫歯の経験を生かして永久歯虫歯ゼロを目指します。

治療あたってのお約束

当院では「痛みについて」でもお話いたとおり、積極的に麻酔を使います。 しっかりお話を聞けて、4つお約束を守れる子は、ちゃんと麻酔をすることができるからです。2歳の子供で30%、3歳の子供で70%、4歳以上ならほぼ100%の子供が麻酔を行なって大人と同じ レベルで治療しています。麻酔自体が痛みを伴えば当然治療をすることなど不可能です。 しっかりした技術で行えば麻酔はほとんど痛みなく施行できるのです。しかし、小さいお子さんに麻酔を施行するに当たってはご父母の皆様方にいくつかの約束を守っていただく 必要があります。

まず、共通語として麻酔のことを「しびれ薬」と呼んでいます。基礎知識として麻酔を知っている子や他院で痛い思いをしている子供に対して違うものとして認識させるために、 「麻酔」や「注射」という言葉は控えてください。 また、麻酔をしたからには局所のしびれが2~3時間はあるかも知れません。くれぐれもしびれた部分をかんだり、 つねったりしないようこの間は、一緒に遊んでいて注意を促していただければ幸いです。

セラミック治療

小児歯科について

美しく仕上げる歯科治療

美しく、より自然に治療するのがセラミック治療だと考えます。 その意味では歯科において歯牙色で行う治療は、すべてセラミック治療の考えに通ずると言えます。 ただ、材料的な制約のため優劣ができてしまうのも事実です。 ここでは主に自費治療に限定してお話していきます。

セラミック治療

審美的な面からみた場合、修復物の王道はこのセラミックといえましょう。さまざまな色のパウダーから作成するため色表現のバリエーションは無限と言えます。 それゆえ製作者の力量を見極める術者側の目も要求されます。 1,000℃以上の超高温で焼き上げるため、お口の中での色も非常に安定しています。

PFMクラウン(メタルボンドクラウン)

金属にセラミックを焼き付けたかぶせもの。セラミックの透明感と金属フレームによる丈夫さを兼ね備えています。 金属の範囲によっては歯を削る量を僅かに抑えられる利点を有しますが、金属により光を遮断してしまうため 光透過性が悪いのと、歯肉方向に光が反射した場合歯肉部が薄暗く見えてしまう欠点があります。 ブリッジによる修復が可能。 当院では、金属に金にプラチナが入った白金加金のプレシャスメタル(金が70%以上入っており口の中で変質しない)を 使用しています。

オールセラミッククラウン

簡単に説明するとPMFクラウンの審美的欠点を補うものです。すべてセラミックなので光透過性は申し分ありません。ただ、歯の中身の色の影響を受けやすいのも事実です。 また歯を削る量はPMFクラウンに比較すると多い傾向にあり、ブリッジによる治療には不向きです。

ジルコニアフレームのオールセラミックスクラウン

ジルコニアとは金属よりも硬いセラミックです。そのためセラミック単身よりも丈夫で、歯を削る量も抑えることができます。ブリッジも可能です。 光透過性はオールセラミックと変わらず自然な透明感があります。

樹脂による治療

硬質レジン前装冠についてご説明します。

硬質レジン前装冠

これは前歯に限って保険でも適応されますが、自費の場合は適合を考えて金属に白金加金のプレシャスメタルを 使用しています。あえて審美的なセラミックでなく樹脂を用いるのは、使用金属の溶解温度のためです。 セラミックは審美的には有利なのですが、歯よりもかなり硬いという問題点があります。 そのため自然な歯の摩耗が起きない可能性があります。その点金属は配合を変えることにより様々な硬さに作ることが できます。 当院で使用する樹脂用の白金加金は歯の表面のエナメル質の固さに似た硬さのものを使用しています。 またセットするとき表面をマット仕上げ(曇りガラス状)にすることにより強く当たっている部分をより発見しやすくなり、 かみ合わせの調節もやりやすい利点があります。 ただ樹脂は練りものを盛っていく作り方で色を表現するので、審美的表現は乏しいと言わざるを負えません。 さらに食品による着色も多くなります。

ダイレクトボンディング
(レイヤリングテクニック)

従来の保険治療でも歯の虫歯の面を削って歯牙色の樹脂を接着して治療する方法はありました。しかし従来の樹脂は透明性が低く、色表現が十分とは言えませんでした。歯牙は本来表面は透明性が高く、 中にいくほど歯の色になっていきます。 この歯の色の面まで光は進みそこで反射した光を色として認識しています。透明性が低い樹脂は表面で光が 反射してしまい浮き上がった色になってしまうため自然観が損なわれることになります。 ダイレクトボンディングは表面に透明感のある樹脂を、中側には透明感の低い樹脂を使うことにより自然な 色表現をする方法です。 樹脂は数種類組み合わせるため複雑な色表現も可能でひびが入っていたり白濁している部分の修復も 自然に仕上がります。

治療例

ホームページをご覧の皆さまにできる限り分かりやすいように、 オールセラミック、ダイレクトボンディング、ファイバーコアの治療例をご紹介いたします。 ご参考になれば幸いです。

  • ダイレクトボンディング術前

    ダイレクトボンディング術後

  • オールセラミック試適

    オールセラミック術後

  • オールセラミック術後& ダイレクトボンディング術前

    オールセラミック術後および ダイレクトボンディング術後

  • ファイバーコア

  • 治療前

    治療後

  • ファイバーコア

    メタルコア

  • 治療後

料金について

PFMクラウン
11万円
オールセラミッククラウン
10万円
ジルコニアオールセラミックスクラウン
11万円
硬質レジン前装冠
8万円
ダイレクトボンディング
(レイヤリングテクニック)
2万円~4万円

※表示価格は税抜きとなっております。

ホワイトニング

ホワイトニングついて

当院のホワイトニング

ホワイトニングは歯の表面のエナメル質の中の有機成分を分解することによって屈折率を変えて、 いわゆるすりガラス状にすることにより歯を白くします。 審美大国アメリカでは20年以上の歴史があり特別な副作用も報告されてはいません。 当院では開業当時から皆様に好評いただいております。日本においても数年前から、薬剤販売が開始され、 一般の歯科医院にも普及しています。 ホワイトニングには大きく分けて診療室で行う「オフィスホワイトニング」と各家庭で行う「ホームホワイトニング」があります。 当院では主に家庭で行う「ホームホワイトニング」をお勧めしています。というのは、こちらのやり方のほうが透明感のある、 より自然な白さになるのと、全体で約5%程度存在する薬剤に反応の鈍い方にも、より効果的な為です。 また、特注のマウスピースを用いて行うのですべての歯の漂白が可能な点も優れています。ホワイトニング終了までの 時間は個人差がありますが、2週間から1ヶ月程度と考えてください。

ホワイトニングの料金

1歯~5歯まで
8,000円/本
6歯以上
8,000円×6(片顎)

※表示価格は税抜きとなっております。

インプラント

インプラントについて

当院のインプラント治療

インプラントとは、歯が全くなくなったところに、歯のもとになるチタン製のスクリューを植え込み、 その上に歯を作っていく治療法です。ほかの治療法が残った歯を支えにして歯を作っていくのに対して、インプラントは全くほかの歯に影響されない特徴があります。そのため、自分の歯と変わらない噛み心地と手入れのしやすさが実現できます。義歯からインプラントにした多くの患者さまから、おおげさではなく「人生が変わった」とのご感想をいただいております。 ではなぜ、体に無い金属に骨がつくのでしょうか?一言でいえばインプラントは栄養にも害にもならないもの、そこにあるけどないものとして認識されているといえます。 そのためには、体を害さない無菌的で低浸襲かつ精密な手術と精密に規格化された器材が不可欠です。 当院では、インプラントの世界で最も信頼のあるブランドのブローネマルクシステムと最新のコンセプトである ザイブインプラントシステムを主に取り扱っています。

インプラントの治療手順

  • 1.診査

    インプラントで一番大切なのが診査であると思います。当院では通常のレントゲン撮影にくわえほぼ100%の患者さまに、 CT撮影を行っています。またそのデータを変換して、インプラントシミュレーションソフトのシンプラント上でインプラント埋入 シミュレーションを行っています。 これにより、骨の厚みや量の過不足にくわえ骨の密度や質までも正確に把握することが可能になり、より安全確実な インプラント埋入が可能になります。 最近は歯科用コーンビームCTを完備した医院もありますが、当院が医科用CTにこだわって撮影をお願いしている 第一の理由は、歯科用CTでは骨の質や密度を反映するCT値が出ないところにあります。 当院ではCT撮影専用の医院であるメディカルスキャニングセンターと提携して速やかな撮影が可能です。

    インプラント埋入シミュレーション

  • 2.診断

    シンプラント上でシミュレーションしたうえで、年齢、骨の量、質、厚み等勘案しインプラントの治療計画を提案いたします。 症例によってはそのまま、場合によっては不足している部分に骨を作ってからインプラントの埋入を行うことになります。

  • 3.手術

    インプラントの手術は大きく分けて2つのやり方があります。1つは手術当日からインプラントが歯肉の上に出ている1回法。もう1つはインプラントを埋入後歯肉は元に戻して その状態で歯肉の部分を治して、骨とインプラントが結合するまで待つ2回法です。 当院では埋入後の感染の危険が少なく骨を作る場合にも有利な2回法を基本に行っています。 手術当日は約1時間かけて口の中を徹底的に清掃します。 その後約1時間で手術を行い、 1時間はゆっくり休んでいただくようにしています。患者さまによっては点滴から鎮静薬を入れて、緊張を抑えた状態で手術することも可能です。 その場合は手術後にもう少し時間をいただいて休んでいただく可能性があります。 2回目の手術は部位と骨の状態によって差があり早ければ1ヶ月後、場合によっては6ヶ月から8ヶ月後になる 場合があります。

  • 4.歯の部分の製作

    2回目の手術から歯肉が治るまで待ってから型をとり、歯の部分の製作を行い、装着します。

  • 5.術後管理

    インプラントも自分の歯も今の状態を維持することは実は非常に大変なものです。快適な状態を維持するために最も重要と考えるのが術後の定期検診です。しっかり行って快適な日常をお過ごしください。

治療例

ホームページをご覧の皆さまにできる限り分かりやすいように、術前・術中・術後の治療例をご紹介いたします。ご参考になれば幸いです。

  • 術前右

    術後右

  • 術後左

    術前左

  • 術前下

    術後下

  • 術前上

    術後上

  • 術中の前

    術後の前

  • 術前側面

    術後側面

  • 術前咬合面

    術後咬合面

料金について

料金については、以下の通りとなっております。

ブローネマルクシステムの場合

基本手術料

上あご
35万円/本
下あご
30万円/本

上部構造料(歯牙の部分のことです)

単独植立の場合
15万円/本
複数植立の場合
10万円/本
XiVEインプラントシステムの場合

基本手術料

上あご下あごとも
30万円/本

上部構造料

単独、複数植立とも
10万円/本
その他の特殊手術料
骨移植、骨造成料
10万円
サイナスリフト料(片側)
30万円
静脈内鎮静法施行料
8万円
笑気吸入鎮静法施行料
保険算定に準じる
全身管理施行料
8,000円

※表示価格は税抜きとなっております。

義歯治療(入れ歯)

義歯治療について

2種類の義歯治療

義歯の治療には一部の歯を補う部分義歯とすべての歯を補う総義歯の2種類あります。それぞれの治療には違う問題点があるので、それぞれ分けて説明いたします。

部分義歯について

無くなった一部の歯を補うのがこの方法です。残った歯にバネや金属冠をかぶせて維持装置にして力を負担してもらうことになります。 そのため、この負担をなるべく軽くする工夫が必要で、装置が複雑になる傾向にあります。 また、バネや金属冠は維持力を発揮するためアンダーカットや摩擦力を利用しているので使用しているうちに 維持力低下の問題も出てきます。 歯のなくなり方の違いで、歯と歯の間の部分で補う中間歯欠損と一方の歯しかない遊離端欠損、 さらに、後方に歯があるが前歯がない前方遊離端欠損がありそれぞれについて治療方針が違います。 義歯は、少なからず義歯の下の歯肉に負担をかけ、歯肉の下にある骨の吸収が起きます。義歯になったらインプラントにしない限りその部分は一生義歯なわけです。義歯の治療で一番大切なのは 義歯の下の骨の吸収を最小限にする工夫です。 当院の義歯治療システムはそこに重点を置き、最適な維持装置を提案いたします。

総義歯について

総義歯は当然のことながら支える歯が一本もありません。それなのになぜ入れ歯があまり動かず、ましてや食物を食べることができるのでしょうか? 総義歯は、くっつく面である歯肉に義歯の曲面があっていて、唾液があることにより吸着します。 これは、ガラスに濡れた紙が張り付くのに似ています。しかし、歯肉は柔らかいものなので力が加わると変形します。かみ合わさる力が加わったときに変形した形に合っていないと総義歯は外れてしまいます。 ここが総義歯の治療の難しいところです。 保険治療では、多くの場合柔らかい材料を用いて、一回で型取りを終わりますが、 それでは、力が加わったときの形を反映していないこともあります。 その場合は、出来上がった義歯を口に合わせて調整する必要があります。総義歯においての当院の自費診療システムは、力が加わった歯肉の形を反映すべく、ある程度の固さを もった数種類の材料を併用し、最大の吸着を得る方法で製作しております。 また、総義歯治療を成功させるポイントは、かみ合わせ、唇、頬の粘膜を反映した上部の形態等々多く 存在します。そのすべてが妥協することなく調和することこそが最適な総義歯治療と言えます。